みっちゃんワールド #21 寝落ちの話
そこにお姉ちゃんのグレートな召喚魔法が発動し、召喚獣?の攻撃でシルバードラゴンの鱗を一気に削り取りました。召喚魔法? 召喚獣? いいえ、あれは宇宙戦艦です! そしてあれはビームです! なんで召喚魔法でSFになっちゃったんですかねっ!? ここは精霊とか神様とか異界の化物とか呼び出すシーンだと思うんですよねっ! しかーし、SFでファンタジーを蹂躙するには威力が足りなかった模様! 銀色のドラゴンはグガアアアアと雄叫びを上げつつ立ち上がり―― 「海沼さん、海沼海々さん。起きなさい。起きてちゃんと授業を受けなさい」 あたし達の戦いはこれからです! みっちゃんと銀の竜 FIN(打ち切りEND) 「ところがどっこい! あたしは寝てなどいません! 机に突っ伏していただけです! だからセーフじゃないかとあたしは思うんですよね」 古文というのはですね、並行世界の日本の言語であってあたし達が生きている世界の言語ではないんです! 「みっちゃん、ついにはリアルでも寝落ちか……」 呆れた顔であたしを覗き込むくーちゃんと、心配そうにあたしを見つめるゆずちー。友達をやめるのなら前者だよねっ! 「昨日の夜、もぐ。夜中にアニメがもぐもぐ……」 食べながら喋るスキルをマスターしたいと思う今日この頃。 「夜にアニメが入るという情報をゲットしたからどんなのか見てみようかと思って」 被害者がゆずちーだとして、犯人は誰なんですか!? どう考えてもあたし達じゃなくてゆずちーママです。むしろあたし達はゆずちーママの犯行を暴いた探偵です!! 「アニメみたいのなら録画すればいいだろ。何のためのブルーレイレコーダーなんだっ!」 あぁ……急に睡魔が! 「待て待てみっちゃん! 食べながら寝るんじゃない! 学校での二連続寝落ちなんて認めないぞ!」 ゆずちーの魂の叫び、……を無視したくーちゃんの一撃があたしを切り裂く!! 「大丈夫だみっちゃん! どんなみっちゃんでも海深さん的にはオッケーだ!」 珍しくゆずちーの怒りが爆発したようです!! あまりの剣幕にビビったのはくーちゃんも同じはず! 出口はどこにありましたっけ? あそこですね、いざとなったら……あの出口ではなくて窓からダイブです! 意表をつかないと今のゆずちーからは逃げられる気がしません! 「アニメなんて所詮は二次元。つまりは絵です! しかも放送倫理にガチガチに固められて規制まで入っています。そこまでしているものがいかがわしいもののはずがありません! いいですか、本当にアウトなものはOVAでしか作成されないか、あるいは地上派では放送されないかのどちらかです! 分かりますか!?」 そしてゆずちーによる『アニメがいかに素晴らしい芸術であるか』をあたし達は延々聞くことになりました。 「お、お昼休みが残り5分!?」 これから午後の授業が始まると思うとぐったり具合が半端ないですね……。もうゆずちーの前でアニメネタはやめようとあたしは思いました。きっとくーちゃんもそうでしょう。 「それもこれもみっちゃんが寝落ちなんてするからだっ!」 子どもの頃に「悠久世界の理に従い悪を捌く! 魔法少女プリチーゆずちー参上!」と自らね! 「う……、そういえば、そうでした……。で、ですが!」 だってだってー、ゆずちーが杖(らしき何か)持ってる姿見たことありますからねっ! 「そういえば、ゆずちーは夜のアニメ見ようとして待機中に寝落ちしたことはないの?」 一秒でも早くアニメを見たいという人は絶対にいると思うんですよ! だからあたしに賛同してくる人だっているはず! ネットで募集すればいっぱい見つかると思います! インターネットの力は凄いんですからねっ! 「そういえばこの前チャットしてたら、急にみっちゃんがだんまりモードになったんだがあの時絶対に寝てただろ」 でもねゆずちー、学校で寝て家で遊ぶというサイクルにあたしはちょっと憧れるんですっ! というわけで、お昼休み終了の鐘の音を聞きつつ、 「さー、お2人さん! ついにやってきました寝落ちタイムだよっ!」 結局あたしは睡魔に勝てず、寝落ちして先生に起こされることになったのでした。眠い時は寝た方がいいんだよっ! その日の夜、 「学校で寝てたのになんでみっちゃんはまたチャットで寝落ちってるんだよおおおおおお!!」 とくーちゃんが叫んでいたとかいないとか。 |
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