アイをください
敢えて言わせてもらいます。 男性諸君はCカップのサイズを大凡間違って認識しています。Cカップで自然な谷間なんてできません。もしも谷間があるのだとしたらそれは寄せてあげて作っているのです。Dカップでも谷間ができないなんてよくある話。 これはブラジャーに感動してその製造に関わることになった一人の女の子の物語。……ではありませんのであしからず。 胸を鷲掴みにするような描写がたまにありますが、あれは「痛いのでやめいっ」って友達が言ってました。 鷲掴み? 私の胸を自分の手で鷲掴みしようとしてみるも、ただただ無い胸を持ち上げてる感じになってしまってメッチャ凹みました……。できねーよばかぁー!!! 痛くも気持ちよくもないよばかぁー!! 「貧乳はステータスよ! 激レアなのよ!」 多分クォーターって言おうとしたんだろうと思いますよ、このGカップ。この人なら鷲掴みできるほどのおっぱいがある。Gだしきっとブラなしでも自然な谷間が……。Gカップ爆発しろ!! そしてぺったんこに萎んでしまえ!! 「あっはっは、そしたらもう肩凝らなくていいんだけどねぇ」 何を食べたらああなるんですか!? お肉ですか!? 牛乳ですか!? 誰か効率のいいバストアップ方法を教えてください!! 「シリコンいっとく?」 女性ホルモンの分泌がバストアップには密接に絡んでいるらしいのですが、意識してそれを出す方法なんて知りません。今すぐアドレナリンを出してみろって言われても無理でしょう? 「真面目な話、あんまり大きすぎてもいいもんじゃないよ」 水着姿の智香はお胸がぽよんですよ。なぜに男子はああいうのが好きなのでしょうかねえ!! 「貧乳が巨乳になるんなら、それは努力次第でなんとでもなるでしょ」 胸の話をしていて出てきた言葉とは思えないほどの重みがあります。正直イラッとしましたけど! まあしかし、私とて豊胸手術を受けたいわけではありません。減らすために手術するなんて、私的にはありえませんし精神ダメージも大きそうな決断ですね。うん、ないわー。 日本人は巨乳よりも貧乳が好きだという検証結果が出ているそうですが、そんな男性の好みなんて知ったことではありません。 「うーむ……」 そんな貴女にオススメなのがこれ! とか通販で言っていたのでついうっかり手を出してしまったバストアップクリーム。本当にこんなもので効果があるのでしょうか? 塗るだけで大きくなるのなら苦労はしません。いや、もしかすると今の技術ならその苦労分をお金で解決できるようになったのかもしれませんけど。……うん、やっぱり疑わしい。しかし買ってしまった以上は使うしかないでしょう。ただ塗るだけではなくて、このクリームを使ってマッサージするといいとかなんとか。クリームの効果でもプラシーボ効果でもどっちでもいいからサイズアッププリーズ! それから1年が経過しました。 私はやり遂げたんです。バストアップクリームにバストアップ体操にマッサージに豆乳にと色々実行し、たっぷりと睡眠を取りました。そのお陰でようやく私はAからBにステップアップできたんです。 「Hカップになったみたいなんだけど」 私の努力をあざ笑うかのように更なる巨大化ですって!!! 「こんな胸! こんな胸えええええ!!」 むにゅ〜っと、メロンのようなビッグサイズの胸に両手の指全てが飲み込まれる。サイズはメロンなのに硬さはメロンのそれとは大違い。むしろマシュマロの柔らかさと表現すべきでしょう。 「この隠れてすらいないスーパー巨乳めー!!」 上下左右乱暴に智香の胸を揉みまくる。Hカップのずっしりとした重さがあるのに、なにゆえこのふわふわな柔らかさが同居できてしまうのか分かりません。理解できません。そしてどうしてか揉んでいる私も気持ちいい。止まりません! 「ちょっ、やめっ、掴まないで! 痛い、痛いから鷲掴みにしないで!! 痛いのでやめいっ!!」 一発殴られた程度でこの私がひくものかー!! 智香のおっぱいは私のもの! 「てえええい!!」 フロントホックブラをつけて私の前に現れたことを後悔してください! 凄く外しやすかったです!! 「ふぁ……だからだめっ」 うわぁーお、邪魔なブラを外したら余計に柔らかさが強調された感じ。それでもってハリも弾力ある上に巨大ってどれだけ……! 「ふぁ、ぁん……って、今度はっ、どこを掴んで……やめっ」 上半身で勿論一番敏感なところでしょう? 私の怒りも興奮もまだまだ収まりません! さあ、お楽しみはこれからです! 「そこのトモトモコンビ。教室でイチャつかない!」 さあ智香さんをどうしてあげましょうかと、手をにぎにぎしていたら後ろから頭をはたかれました。 「いたっ!?」 えっ、えっ!? さっきまで顔真っ赤にしていた智香さんが、獲物を前にした狼のような目を私に向けているんですけど……!? 一瞬で表情変わりすぎでしょう!? 「倍返しって聞いたことない?」 嫌な予感がします。背を向けて逃げろと私の魂が叫んでいます。 「私、急用を思い出したので、それじゃっ」 背を向けてしまったせいで、後ろから胸を掴まれるような形に!!! まさかこれから私を辱めるつもりですか!? 私の小さな胸なんて触っても面白くないでしょう!? ああいうのはたっぷり胸があってむにょーんとできる人だからこそエロいのであって、私みたいな小物では……! 「大変よ真由美! 友花の胸がどこだか分からない! これじゃ揉めないわっ!」 貴女が今触れてるところが私のおっぱいです……こ、これでもBになったのに。Bならなんとかもめるはずなのに。巨乳な智香からしたらAもBもつるぺたですか。そーですかぁぁぁ……。 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん。智香さんのバカァァァァァ!!」 ◇ 「精神ダメージ、倍返しなう」 ◇ これはブラジャーに感動してその製造に関わることになった一人の女の子の物語。……ではなく、Hカップを見返すために更なる高みを目指すことを誓った一人の無謀すぎる少女の物語。その序章である。 「いやいや、友花……いくらなんでもIカップとか不可能だから。というか我々にはDとかEですら神の領域だから」 /// 「おっぱい」なんてテーマで書けるわけないでしょーとは言ったものの書かなかったら負けたような気分になりそうだったので、まあ、こんな形で仕上がりました。 |
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